23~4年前、ウィッグカットの査定でのお話です。
御存じの方も多いと思いますが、僕達、美容師の世界では人頭モデルを切る前に
カットウィッグで数種類のスタイル(ワンレングス、グラボブ等)に合格しないといけません。
写真がなかったので、イメージだけでもと思いまして・・・・・。
その日は月1回の査定の日でした。
僕と同期のK君は、なんとか時間内に切り終え合否の結果が出るまでの10分ほどの間
バックルームで待っていました。
そこえ仕事を終えて見に来て下さったSディレクターが到着。
僕とK君「お疲れ様ですっ!」
Sディレクター「お疲れ!どやってん?」
K君「バッチリですよっ!」
僕「う~ん、もひとつです・・・・・。」
Sディレクター「そーか。」といってバックルームから出て行きました。
このやり取りを聴いていたO先輩「大作、お前情けないことゆーなっ。出来たと思いますってゆえるぐらいレッスンしとかんかえぇ。」
間もなくドアが開きました。
Sディレクター「大作ええどっ。K、お前また来月受けぇ。」
いけたやん!!
三宮某所でSディレクターと僕2人でお酒を飲んでいました。
「今日な、お前らのウィッグ見んでも結果わかってたわぁ。」
「えぇ!そうなんですか?」
「普段、全部レッスン見られへんけど、俺はお前らの性格とかわかってるからなぁ。」
「??」
「Kは確かに言われた事に対する理解も早い。手先もそれなりに器用やっ。
大作・・・・・お前は頭も手先も不器用極まりない。」
「・・・・・。」
「大作、カット簡単か?」
「簡単?なわけないですよぉ。」
「だから、バチッリです。出来ました。って呑気に言える奴は全体像、細部も見えてない。確かに何となくは出来てる。だから何となく出来た気になる。
お前、もひとつです。ってゆーたやろ。どこがアカンかったか分かってんねん。だから、あそこも上手く切れてないって気ーつくから悲観的な言葉になる。」
その場面、場面での言葉の真意が理解できる人。お客様の言葉の真意も理解できる人。だから1番売り上げも上げれる人。1番働く人。ディレクターなんやなぁ、と思いました。
「まぁー大作、心配すんなっ。俺もまだ完璧に切れたと思たこと1回もない。」
「えぇーマジすっか?Sさんでも??」
「当たり前やろ。完璧に切れたと思たら美容師やめるかもなぁ。」
だから、やっぱり、この人ディレクターなんや!!
ダイヤはダイヤでしか、人は人でしか磨けない。
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